遺言とは?
相続を争続にしない …遺言…
相続トラブルについて
『うちの家族は仲がいいから大丈夫!』
『ドラマじゃないのだから、そんなこと起きないでしょ!』
なんて、思っていませんか?
司法書士が受ける案件に、【遺産】を巡って起きた親族間のトラブルのご相談・ご依頼が増えています。
『うちは大丈夫!』…本当に大丈夫でしょうか?
自分(被相続人)が生存中は仲が良かった相続人達が、自分の死後【遺産】を巡って争う。<相続>が≪争続≫になってしまう…
家族を残して逝くものにとって一番避けたい事ではないでしょうか。
<相続>を≪争続≫にしない為の対策【遺言書】についてご説明します。
遺言書
終活ブームもあり、皆さんも一度は必ず聞いた事のある【遺言書】。
遺言書とは、被相続人の最終意思を記した書面の事です。
最近では、『自分の死後に争いが起きないように』と遺言書を残す方が増えています。
遺言書には大きく分けて「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」「公正証書遺言」の3種類があり、それぞれ作成方法や検認(家庭裁判所が遺言書の存在や内容を確認するために調査する手続き)の有無などが異なります。
法律上の要件を満たしていないと、遺言書が無効になってしまう事もありますので、遺言書作成の際は専門家に相談する事をオススメします。
「自筆証書遺言」とは…
自筆で遺言内容、日付および氏名を書き、署名押印する遺言書のことをいいます。
遺言書の存在自体は秘密に出来るのですが、簡単に作成できるため偽造が疑われる事があります。
また、自筆証書遺言を保管する者は、相続開始後に家庭裁判所にて検認の手続きを行う必要があります。
「秘密証書遺言」とは…
遺言書の「内容」を秘密にしたまま「存在」のみを証明してもらうのが秘密証書遺言です。
こちらを作成するには、証人2名と公証人の立ち合いが必要になります。
2人の証人の前に封書を提出し自己の遺言書であること、氏名・住所を申述し公証人がその証書を提出した日付、遺言者の申述を封紙に記載したあと証人とともに署名・押印して作成します。こちらも家庭裁判所の検認が必要です。
「公正証書遺言」とは…
公正証書遺言とは、公証役場で公証人に作成してもらう遺言書のことをいいます。
2人の証人が立ち合い、遺言者が遺言書の趣旨を公証人に口授し、公証人がこれを筆記して遺言者および証人に読み聞かせます。そのうえで、遺言者と証人が筆記が正確であることを確認し、各自署名・押印し、公証人が以上の手順により作成したものである事を付記して署名・押印し公正証書遺言の完成となります。
偽造を疑われる事は少ないですが、遺言書の内容を秘密にする事ができません。
しかし、最も確実な遺言書であると言えるでしょう。
公正証書遺言は家庭裁判所の検認は不要です。
「秘密証書遺言」・「公正証書遺言」の注意点
秘密証書遺言や公正証書遺言の作成にあたって立ち会う証人は、誰でも良いという訳ではありません。
下記に該当する場合、民法で遺言の証人または立会人になれないと定められています。
(民法974)
〇未成年者
〇推定相続人(遺言者の死後、相続人になる立場の人)、受遺者(遺言により財産を貰う人)及びその配偶者並びに直系血族
〇公証人の配偶者、4親等内の親族、書記及び雇い人
未成年者や直接利害関係のある立場にある人、いわゆる身内では証人にはなれないという事になります。
証人の資格がない人を証人にした場合、遺言が無効になりますので注意して下さい。
秘密証書遺言に関しては特に、秘密を厳守してくれる信頼できる証人が必要です。
口の軽い証人だと、遺言内容が漏れてしまう可能性があるので、証人の選出も重要になるのです。
重要である=悩みの種になる証人選出。慎重に決めなければなりません。
証人をなかなか決める事が出来ないときは、専門家に依頼するのも一つの手段です。
司法書士などの専門家が証人として立ち会うことも出来るのです。
司法書士には【守秘義務】というものがあり、守秘義務違反を行えば懲戒処分になってしまいます。また、遺言者との利害関係もありませんので、確実に秘密を厳守するという点で最適なうえ、相続問題の専門家という点でも安心して任せていただけるのではないでしょうか。